【fukaレポ】哲学対話 ~大人ってなんだろ?~
「大人ってなんだろ?」
こどもと大人が同じ時間を過ごしているこども編集部にぴったりなテーマで、哲学対話の活動が幕を開けました。
レポートは今回が3回目で、認知度も上がってきたかなと思っている、「こども編集部のこどもと大人の間」ことふうかです。
6月8日、こども編集部のベースである塩屋hesoで、十数人のこどもたちと哲学対話をしました。
今期1回目ということで、哲学対話の基本から理解していきます。
ひと通りの心得を説明されたあと、実際に練習してみることになりました。お題は「おしおきって、役に立つ?」です。
「廊下に立ってろ!とか、考える時間を取るおしおきなら、役に立つこともありそう」「暴力は何の意味もないと思う」「上下関係があって、上の人から下の人にしかおしおきしないのかな?」など、いくつかの考えが出て、流れやイメージを掴んだところで、練習を終えて、哲学対話をしていく上でのルールを決めます。
最初に、進行係の高校生が決めてきたルールを出しましたが、他にもたくさんの意見が出て、「これなら話しやすそう」と思う全体のルールが完成しました。こども編集部のみんなは、裏で悪口を言うようなずるいところはなさそうですが、絶対これは守ろうね、と再確認ができたと思います。
第1回なので、3つのテーブルに分かれて、「大人」という言葉から思いつくことを付箋に書いて、紙に貼る作業をしました。紙の真ん中に「大人」という字を丸で囲んで、その周りにたくさんの付箋が並びます。私が最初に書いたのは、「あきらめられる」です。こどもたちからも、「えらそう」「お金LOVE」「自分で決めれる」「上下関係がある」「流行りにうとい」など、多くの意見が出ていました。私が気に入っているのは、自分で書いた「信号無視をする」です。
その付箋の群れを、他のテーブルにも見に行って、共感する付箋にマークをつけました。どんなところから「大人」をイメージしているのかなんて、それぞれで違うと思うのに、共感できるところは意外と多いんだなと感じました。愚痴っぽい子もいれば、憧れの人を想像したのかな、という子もいたので、本当に多種多様な言葉が、「大人」の周りに並んでいました。
いろんな意見を目にしたので、最後に、これからどんなことを考えていきたいかを話し合いました。進行係の子たちが、それぞれの回にどんな問いを持ってくるのかはわかりませんが、「大人っぽい人ってどんな人?」「どうして大人とこどもを区別するの?」「大人とこどもが違うところ、同じところは?」「なんで大人にはなりたくないの?」「どこからが、大人?」など、今からでも深く考えたい問いが並んでいて、わくわくしました。
私は19歳で、法律的には成人しているけど、まだ飲酒や喫煙はできないし、運転免許も取っていないので、自分の感覚としてはこどもです。昔、ドミノ・ピザでお仕事体験をして、最後に参加賞としてもらったポテトの無料券に、「有効期限:大人になるまで」と書いてあって、「自分はまだこどもです!って言い張ったらいつまでも使えるのか?」と思った記憶があります。私の中では、大人とこどもの境目は、「自分が大人だと思うかどうか」にあるような気がしています。
鳥は雛換羽を経て、大人と同じ色の羽が揃って、成鳥になります。そこに鳥自身の認識はないと思うけど、人間は大人の体になっても「こどもっぽい」人や、「大人になろうとしない」人もいるので、体の成長を見るとだいたい18歳前後で「大人」でも、周りからの扱いとか、自分の意識とか、社会的なルールとかが複雑に絡まっているので、考えるのが難しいように思います。
そんなことを、自分の意識や社会的な立場が違う人たちと考えられるのが、とても楽しみです。
レポ*サポーターfuka