人と犬が幸せに暮らすために -りぐこうべ兵庫様冊子制作のための取材より-
“かわいそう”
ではなく
“よくがんばったね”
と言ってあげてください
2003年から犬・猫の保護活動をスタートし、2018年に法人を設立しました。
軽い気持ちで迎えたものの、飼えなくなって遺棄された子。
人間のために精一杯働き、繁殖の役割を終えた子。
過酷な環境を生き延びてきた子たちも数多く見てきました。
「命を助ける」のは当たり前。 私たちは、 本来自分で生きていく力を持った犬・猫を信じ、しっかりとトレーニングをします。
飼い主さんとペットとの正しい関係を作ることで、ペットの遺棄を抑止することができると考えるからです。
“かわいそう”と甘やかしてモノのように扱うのではなく、“よくがんばったね”とねぎらい、たとえハン ディキャップを持った子であっても、“がんばれ”と励まして育てて欲しいと思っています。
育てる中で困ったときは、いつでも、どんな時も私たちに相談してください。
「人が幸せであってこそ、 ペットも幸せ」。人と人とがつながり助け合えば、 不幸な動物を減らすことができると信じています。
犬が犬らしく生きられる社会になれば殺処分は減らしていける
りぐこうべ兵庫が目指しているのは、「一頭でも多くの犬・猫を保護すること」ではありません。
犬・猫の習性を理解し、適正に飼育してくれる里親さんを増やすこと で捨てられるペットを減らすことこそ、 使命だと考えています。
Q こちらでは、譲渡会をしないと聞きました。 どんな意図があるのですか?
譲渡会の現場は、ペットショップと変わりません。
可愛い から、小さいから・・・モノのように選ぶことになる。 みなさんも、たくさんの人からジロジロ見られて品定めされたら嫌ではないですか? 私たちはあらかじめ犬・猫の情報を公開して、会ってみたいと手を挙げてくれた人と個別に 「お見合い」する方法をとっています。
Q 犬は本当は一匹でいたいの? 人間といて幸せなの?
犬は本来、群れで暮らす動物。 孤独な環境は寂しいんです。
犬は人間と暮らすために、他の動物にはできない「白目を動かして感情を表す」ことができるように進化しました。人間と一緒にいたいけど、一匹になって心身を整えられる環境も求めています。
人間はその性質を理解し、犬からの信頼に応えてあげる必要があります。
Q 里親になるための条件はありますか。
一定の条件を設けてはいます。
「就学前の子どもがいるご家庭・未婚のカップルには譲渡しない」
「高齢の方や一人暮らしの方は、犬を飼える環境かどうか確認する」
などですが最終的に大事なのは “人間力”。
どれだけ犬が好きか、ではなく、犬を管理できる力があるか、 安心・安全な環境を与えられるかを確かめさせていただいています。
Q 私は犬を飼っています。 犬を幸せにするためにできることは。
人と、それ以外の生き物は違うことを知っておいて。
膝に乗せたい、一緒に寝たい、服を着せたいと思った瞬間、犬はモノになってしまいます。
犬の習性を理解することが大事。
新しい友達と関係を作っていくとき、「何が好き? 何が嫌い?」と相手を知ろうとしますよね。
犬に対してもそうするべき。
それが相手を尊重することだと思います。
保護犬・猫は本来の姿で生きられる環境を求めています
犬は人のために「働いて」ご褒美をもらい生きてきました。
犬にとっての「働く」とは、人の指示に従うこと。
正しい行動をしっかり教え、犬を信頼してください。
犬にも猫にも、一匹になって心身を整えることができる パーソナルスペースを用意してあげてください。
人と暮らす前の犬の歴史を学んでください
犬は大昔、土に掘った穴の中で群れになって 生活していたため、狭くて暗いところが大好き。
クレートという箱型のハウスで、巣穴を再現することで居場所を作ることができ、普段と違う環境にもストレスなく連れ出すことができます。
人と人とのつながりを大切にしています
私たちの目的は、この世から捨てられる動物がいなくなること。
壌土した後も飼い主さんの悩みに寄り添い、訳あってペットを手放さざるを得ない人と新しい飼い主さんをつなぐためのお手伝いもしています。
お話を伺ったのは、りぐこうべ兵庫代表の佐溝様。
https://lig-kobe.com/