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【保護者兼ライターレポ】2月5日哲学対話

第3回\哲学対話ワークショップ/

現役大学生講師による思考の体操「哲学対話ワークショップ」、今回で3回目となりました。

普段当たり前で常識と思っていることは本当に正しいのか、一度立ち止まってそこに「疑問」を持つこと、それが哲学です。

今まではテーマを決めずに、自由に「哲学的な思考の流れ」を体感してきたメンバーたち。

今回は少し趣向を変えて、ハーバード大学の授業などでも実際に取り入れられているテーマを掲げて、講義形式で哲学を体感してみました。

哲学の世界ではよくテーマの一つとして取り上げられるという「トロッコ問題」

•あなたはコントロールが効かなくなったトロッコ列車に乗っている運転手です
•とある分岐に差しかかりました
•片方には「1人の男性」
•もう片方には「5人の労働者」
•どちらもそこを通るとその人たちが死んでしまいますが、あなたは必ずどちらかを通らなければなりません
•さて、あなたはどちらを選びますか?
•また、なぜそちらを選んだのでしょうか?

人の命を選択しなければならないことに、少し戸惑う子供たち。
なかなか難しいテーマですが、いろいろな意見が飛び交います。

1番多かった【「1人の方」を選ぶ理由】
•少しでも死ぬ人数が少ない方がいいから
•5人が轢かれるのを目の前で見てしまったその1人の人は、そのトラウマを一生1人で抱えないといけないから
(5人いれば辛さを分かち合えて支え合って生きて行くことができる)

この選択の中でも、「自分のトロッコを横転させて自分が死ぬ方がいい」「どちらも正しくないから選びたくない」と、この2択そのものを避ける意見も飛び出します。
みんな真剣そのもの👀✨

そして中でも1番多かったのが、
「その人たちには家族や恋人や友達はいるのか?」
「その人たちの年齢や性別は?」
「その人たちの性格を教えてください」
といった、設定そのものから考えたいという質問。

命の選択を迫られる中で、子供たちなりに「少しでも正しい選択をするための判断材料が欲しい」という気持ちがヒシヒシと伝わってきました。

次に少し状況を変えて議論は進みます。

•あなたは電車好きで遠くから線路を眺めています
•コントロールの効かなくなった列車が、今度はその5人の労働者の方へ向かっています
•ふと横を見ると太った男性が1人立っていました
•この人を突き飛ばせば列車は止まります
•さて、あなたはこの男性を突き飛ばしますか?
•また、それはなぜですか?

この結果、多かったのはさっきとは真逆で「隣の人を突き飛ばさずに5人の労働者を犠牲にする」という選択でした。

あれ?
さっきの「できるだけ死ぬ人数は少ない方がいい」という視点での選択そのものに、矛盾が生じている…??
それはなぜなのか。

自分が直接人を押して死なせてしまうことと、
トロッコに轢かれてしまう死は何が違うのか?

「自分は悪くない」「悪いと思われたくない」、自分たちの中にそんな心理が見え隠れしていることに気づく子供たち。
普段は潜在意識の中に隠れていた無意識を、掘り起こしながら対話は進みます。

そして最後に大学生講師に教えてもらったのが、この二つの考え方。

「功利(こうり)主義」
幸福になる人が多い方が正しいという考え方
(単純明快。選挙など政治によく用いられる)

「帰結(きけつ)主義」
行動そのものがもたらす結果の正しさを求める考え方
(倫理的。人間としての尊厳を大切にする)



そう考えると、自分たちの生活にはどちらも必要で、そのバランスが大切なんだということを改めて感じますよね。

そして哲学対話は結論へ…

結局「正義」とは何なんだろう…?
「正義」の反対は「悪」なのか?

戦争をしている国同士。
アンパンマンとバイキンマン。
便利な物を作り出し続ける工場と限りある地球環境。

片方を「悪」だと決めつけがちだけど、
結局どちらサイドも「正義」だと信じて行動していることに気づく子供たち。

\\「正義」の反対は「悪」ではなく、「正義」だ!//

ハーバード大学では一年かけてじっくり取り組むような議題でしたが、今回の短い対話の中で、子供たちは自分たちで一つの答えにたどり着いたのでした👏

次回は、その「悪」について引き続き考えていきます☝️💡
改めて、子供たちの思考の深さと柔軟さってすごいなぁ…✨
不定期開催ですが、次回もお楽しみに…!

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